【感想】今日も怒ってしまいました
内容
著者が怒ったことについてのエッセイ&四コマ漫画です。
四コマでは一緒にお仕事した失礼な方についてが多かったかな。
(こんな奴と一緒に仕事するのはイヤだと私も思いました。)
怒ったことについて書いてあるのに、読んでいても不快にならずにすんなり受け止められるのは、この著者の作風が人を傷つけるような言葉を使わず、時にはクスリと笑ってしまうような何気ない日常の1コマを書いているからかもしれません。
単行本が2002年発売のものなので、最近の著者の本に触れているとイラストの自画像が馬?なのが新鮮でした。4コマについてはまだまだの部分がどうしても残念に思えますが、エッセイは今も昔も変わらず目の付けどころが面白いです。言葉選びも心に響きます。
感想
気になった個所を、一つずつ挙げてきます。
まえがきに「その怒りに、哀しみはあんの?」「哀しみが含まれていないならたいした怒りではない」とありました。うーん、確かに、哀しいことが根元にある怒りって時間がたっても忘れられず、いつまでも燻っていて辛くなることありますものね。たいしたことかどうか自分の指標があると気持ちも切り替えやすくなるかもしれません。今度試してみようかと思います。
著者の妹さんが交通事故にあった際、後日謝りに来たはずの「加害者」がなぜか「通りすがりの親切な人」になっていたエピソードには怒りを覚えました。自分の過失をごまかすためにストーリーを捏造し、被害者やその家族に一言も謝罪しないとは面の皮が厚い人間もいたもんですね。
開店祝いのお花のエピソード、大阪ではこのお花を無料でもらって行くというのにカルチャーショックを受けました。え?本当??著者の住んでいた周りだけの習慣かもしれませんが、お花がすぐに捌けるとそれだけ人が来ていることになり、周囲から歓迎されている感じがするので私はこの習慣は素敵だと思いました。
笑福亭鶴瓶さんのエピソード、電話番号を書いた紙と10円玉を渡すとお礼の電話をくれるって、初耳でした。著者も実行したらしく、著者のお母さんが電話を取ったそうな(笑)
「そんなことも知らないの?」という方のエピソード、実際、私の周囲にそういう人がいました。私もそう言われると悲しくなります。著者も作中で言ってますが、自分の当然を押し付けてくるのは失礼ですよね。
「不安定な生活をする代償として、嫌な人とは仕事をしないようにしよう」という姿勢を羨ましく思いました。私もこんな低賃金でストレス溜めながら働く代償として残業をしないようにしたいです。
「未来のために、今の「楽しい」が減るのは~」というくだり、身につまされます。